低格太陽光発電所における定期点検の内容や頻度、目安の費用などの情報をまとめて紹介します。
太陽光発電におけるメンテナンスは、改正FIT法により義務化されています。しかし、その内容や頻度について、資源エネルギー庁が公表する「事業計画策定ガイドライン」に明確な記載がありません。しかし、「民間のガイドライン同等以上のメンテナンスを行うように」という記載があります。
ここでいう民間のガイドラインとは、一般社団法人の日本電機工業会と太陽光発電協会が公表する「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」(※)のこと。点検内容等を詳しく記載しており、この項目に沿って定期的に点検を実施することが望ましいとされています。
定期点検の具体的な内容として、「太陽電池モジュールに亀裂や剥離といった破損がないか」「パワーコンディショナのランプやディスプレイが正しく表示されるか」「筐体に腐食やサビ、配線の損傷がないか」など50を超える項目があります。
なお、定期点検の頻度については「近隣の樹木や建物の状態」「土埃が多い場所かどうか」といった周辺環境によっても異なるため、明確には決まっていません。一般的には、目視点検で年1回実施するようにとしています。
50kW未満の低格太陽光発電所の場合、メンテナンスの費用相場は年間で10~15万円といわれます。
ただし、定期点検にかかる費用は、点検内容や頻度、太陽光発電所の設置環境など、さまざまな要件によって異なりますので、O&M会社に見積もりを取ることをおすすめします。
鳥のフンや枯葉など汚れが付着した箇所が発熱する「ホットスポット」という現象が発見された事例があります。ホットスポットは、太陽光パネルが破損する一因になるので注意が必要です。
パワコンの停止は、太陽光発電のトラブルでも比較的多い事象です。点検されず放置した状態が続くと、売電ができず得られる収益も少なくなります。定期的な目視点検により、パワコンの不具合を防ぐことが可能です。
O&Mを外部業者に依頼する際には、費用はもちろん、サービス内容も比較して選定することが大切です。
業者によっては、メンテナンスに必要なサービスもオプションとなっているところも見られ、トータル価格では割高になる場合もありますので、しっかり確認することが大切です。
(※)2021年11月16日時点、「太陽光O&M」「低圧太陽光 メンテナンス」のGoogle検索結果に表示された29社のうち、信頼できる会社として以下3点が公式HPに掲載されている会社を調査。
「O&Mで定義されたサービス(発電量監視・障害時復旧対応・定期点検・サイト管理)に対応」「価格」「導入実績数」
その中から
・om’s・・・損害保険が標準プランに含まれる会社のうち月額費用が安い会社
・オランジュ・・・月額費用が一番安い会社
・デベロップ・・・定期点検頻度が一番高い会社
をそれぞれピックアップしました。
(※除草・パネル洗浄は多くの会社がオプション対応のため、月額費用から省いて算出)
※オランジュとエナジービジョンは協業しているため、同価格でO&Mサービスを展開。
今回は、導入実績数が多いオランジュをピックアップしています。